CASE導入事例

導入事例:静活株式会社 様 | Martin Audio TORUSシステム

静活株式会社 様

静活株式会社

左:テクニカルマネージャー 下田氏 右:イベント事業部 鈴木氏

100年企業の静活株式会社が新事業部スタートにMartin Audio「TORUS」を採用

事業内容
静岡県静岡市に本社を置く静活株式会社は、大正8年(1919年)に創業し、100年以上の歴史を持つ静岡を代表する総合エンターテインメント企業。静岡市民にとっては非常に馴染み深い企業で、主に映画館の運営や複合エンタメ施設の展開を行っている。
導入製品
【Martin Audio】TORUS T820(8インチ パッシブ 20度固定角度定曲率アレイスピーカー)+ SX115(15インチ ダイレクトラジエーター サブウーファー)

映画興行、ボウリング、アミューズメント施設を中心に事業を展開してきた静活株式会社は、2026年4月に新たにイベント事業部を設立しました。

同事業部では、映画館を含む商業施設内のイベントスペースでのライブ対応や、小規模現場でも高品質な音響サービスを提供することを目指しています。そのメインスピーカーとして採用されたのが、Martin Audioの「TORUS T820」です。

今回の導入にあたり、TORUSの選定理由や実際の使用感についてお話を伺いました。

—TORUS導入の目的として、重要だったポイントを教えてください。

静活  まず、コンパクトな現場の音楽的クオリティを上げたいというのが一番大きかったですね。

どうしても小規模現場だと、プラスチック筐体の簡易的なスピーカーで運用するケースが多いじゃないですか。でも、それよりも音像がしっかりしていて、「音楽的に高音質で聴ける音」にしていきたかったんです。

単純に音量が出るとかではなくて、ボーカルがしっかり前に出て、楽器も音楽的にまとまっている、そういう現場を作りたかった。そこで他社との差別化を図りたいという思いがありました。

「小さい現場でもMartin Audioを使って、ちゃんといい音を出している」という部分に価値があると思ったんです。

静活株式会社 TORUS T820

TORUS T820(8インチ パッシブ 20度固定角度定曲率アレイスピーカー)

—今回Martin AudioのTORUSを選んでいただいた理由や、もともとのブランドイメージについても教えてください。

静活  Martin Audioに関しては昔のモデルから知っていたので、もともと“ボーカルに少しクセはあるけど、すごく抜けるスピーカー”というイメージが強かったんです。

今回の導入で大事にしていたポイントが、「人間の声がちゃんと人間の声として伝わること」でしたので、デモでTORUSを聴いた時は、ボーカルの抜け方もそうですし、音像のまとまり方がこれまで聞いてきたものと全然違いました。

コンパクトながら、求めていた“音楽としてしっかり成立する音”を一番感じられたので、最終的にTORUSを選びました。

—実際にTORUSを使ってみて、どのようなメリットを感じましたか?

静活  まず、チューニングが圧倒的に楽ですね。そこは本当に大きかったです。

エンジニアなら分かると思うんですが、スピーカーをつないでマイクテストをした瞬間に、「ここがダメだな」というポイントって出てくるんですよ。でもTORUSは、少し調整するだけで一気にまとまる感覚がある。

今までだったら、10回20回とワンツー(マイクテスト)しながら追い込んでいたようなところが、「あ、ここだな」で決まってしまうんです。だから、一般的なオペレーターさんでもかなり扱いやすいと思います。悩む時間が少ないんですよね。

設営・運搬面に関してもスムーズになりました。今回も角度をつけた状態で、2本をスタンドに付けたまま上げたんですが、女性2人でも十分対応できました。1本だけならかなり簡単に上げられると思います。ただ、形状的に角度がついているので、安全面を考えると一人作業は避けたいですね。

でも重さ自体は全然問題ないので、少人数でも安全にオペレーションできるのは大きいと思います。

静活株式会社 TORUS T820

TORUS T820(8インチ パッシブ 20度固定角度定曲率アレイスピーカー) + SX115(15インチ ダイレクトラジエーター サブウーファー)

—TORUSの強みとして感じた点と、現場での音の印象を教えてください

静活  印象深いのは、やはり指向性のコントロール性能ですね。必要なエリアにはしっかり届く一方で、そこから外れた場所では音が自然にスッと落ちていくので、商業施設のような反響の多い環境でも扱いやすかったです。

今までだと「ここはリバーブ厳しいな」と判断するような現場でも、普通にリバーブを使えて、それでも破綻しない。しかも細かく追い込みをしなくても、ざっくりしたセッティングで音がまとまるので、現場での自由度はかなり高いと感じました。

カバレッジについても、上下だけでなく横方向にも過度に広がらないので、「狙ったエリアにだけ音を届ける」というコントロールがしやすいです。サービスエリア外ではダイレクト音としては届かないので、クレーム対策の面でも安心感がありますね。

ポイントソースと比べると圧倒的に扱いやすくて、到達性はしっかりありながら音が暴れない。ラインアレイとポイントソースの中間のような感覚で、小規模から中規模現場には非常にフィットする印象です。

低域に関しても、ただ広がるタイプではなくて、しっかり押し出してくるロー感があります。いわゆるフロントロード的な前に出てくる低域で、エリア外でも音楽として成立している感じがありましたし、コントロールもしやすく、エフェクトの乗りも素直でした。

静活株式会社 ショッピングセンターでの音響オペ

TORUSを使ったショッピングセンターでの音響オペレーション

—現場で使用した際、お客様からの反応はいかがでしたか?

静活  かなり反応は良かったですね。現地の会社さんからも、「これ比較できなくなっちゃうね(笑)」なんて言われました。

それくらい、音の違いは分かりやすかったと思います。やっぱり音響って、音楽を楽しんでもらうために音を出しているわけなので、もっと“音楽的な音”に寄っていってもいいと思うんです。

—今後、このシステムをどのように展開していきたいですか?

静活  今後は台数を増やして、ホテル案件や中ホール規模にも対応していきたいですね。3/2で組んでグランドスタックにすれば、かなり幅広い現場に対応できると思っています。

従来のミドルクラスシステムを持ち込まなくても、音像的には十分勝負できる感覚がありますし、むしろコンパクトな分、運用の自由度は高いと感じています。

またフライング運用についても今後やっていきたいですね。従来のように大掛かりな金具やホイストを使うというより、もっとシンプルに組める可能性があると感じています。

クランプで構成できるくらいのサイズ感と重量なので、現場によっては柔軟に対応できそうですし、アンプ別体という点も含めて、屋外運用や設営の自由度はかなり高いと思います。

静活株式会社 iK42パワーアンプ

Martin Audio iKON iK42(4チャンネル 20,000W クラスD パワーアンプ)を現場で使用

—今回の導入を通して、全体としてどのように感じていますか?

静活  やっぱり、小規模現場でも“ちゃんと音楽的な音”を届けられるかどうかはすごく大事だと思っています。大きい現場だけじゃなくて、地域のイベントや商業施設、学祭みたいなコンパクトな現場こそ、音のクオリティで差が出る部分だと思うんですよね。

その意味で、TORUSはかなり大きな武器になりました。チューニングも早くて扱いやすいですし、現場での判断もシンプルになるので、結果としてオペレーター側にも余裕が生まれます。

その分、音作りや演出に時間を使えるので、現場全体のクオリティが上がっていく感覚がありますね。コンパクトでもしっかり音楽を成立させられるという点で、今後の標準になっていく可能性は十分あると思います。

静活株式会社 イベント事業部の皆様

この度は貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました!