CASE導入事例

株式会社大城音響事務所 様

株式会社大城音響事務所 様

大城音響事務所がMartin Audioの3ウェイ・バイアンプ・ラインアレイモジュール「WPC」を導入

大城音響事務所がMartin Audioの3ウェイ・バイアンプ・ラインアレイモジュール「WPC」を導入

事業内容
株式会社大城音響事務所は、コンサートや各種イベントにおけるPA業務を中心に、企画から運営までを一貫して手がける音響制作会社。会場での音響オペレーションだけでなく、配信音声や映像の技術提供・管理なども行っており、現場のニーズに応じた総合的な音響サービスを提供している。
導入製品
【Martin Audio】WPC、iK42、Blackline X、Blackline Q
【Powersoft】T604、T904

多様な現場に対応する中で、より高出力で柔軟な音響システムを求めてMartin Audio「WPC」を導入した大城音響事務所様に、導入の背景から実際の使用感、そして運用上のメリットまで詳しくお話を伺いました。

Martin Audio WPCの導入背景と目的を教えてください。

大城  当社では複数メーカーのスピーカーを保有しているのですが、今回導入したWPCは、その中でも最大クラスのラインアレイです。これまではもう少し小型のスピーカーが中心で、「もうワンサイズ上のパワーが欲しい」と感じていたのが導入のきっかけです。

実は数年前のInter BEEで、上位モデルのWPLを試聴したことがあり、そのときの印象がとても良かったんです。ナチュラルで聴きやすい音質が強く記憶に残っていて、今回のWPCも同じWPシリーズということで、求めていたサイズ感と性能、そして音質にちょうどマッチしたため、導入を決めました。

もともとBlacklineシリーズを使用していたので、Martin Audioの音の傾向や良さは理解しており、音質面での信頼感も大きな後押しになりました。

株式会社大城音響事務所 Martin Audio WPS

導入後の現場での使用感はいかがですか?

大城  最初にWPCを投入した現場はゲームイベントだったのですが、これが大成功でした。当社の在庫だけでは足りず、片側8発をフライングする構成で、まさにWPCの“デビュー戦”となりました。

LEDビジョンの関係でかなり高所に吊る必要があり、さらに吊り位置から観客席までの距離も長いという、音響的には非常に難易度の高い現場でした。それにもかかわらず、「見た目以上の音圧と音質の良さ」に本当に驚かされました。マイクや音楽のサウンドも、重厚さを保ちながら非常にクリアに届き、クライアントのオペレーターさんからも「とても扱いやすかった」と高評価をいただきました。

また、イベントは4〜5日間にわたって開催され、前半が予選、後半が決勝という構成でした。面白かったのが音の出し分けです。予選では「後方ブースには音を回さないでほしい」という要望があり、逆に決勝では「会場全体で盛り上がるように」という全体拡声が求められました。

通常のシステムでは音量調整くらいしか対応できませんが、WPCの「オプティマイズ機能」を使えばエリアごとの出力制御が可能です。そのため、予選時は前方中心に指向性を絞り、決勝では全エリアに広げる、といった柔軟な使い分けができたのは大きな強みでしたね。

株式会社大城音響事務所 Martin Audio WPSをスタックした状態

Martin Audio WPCをスタックした状態

スタックでの運用や中小規模現場での使い勝手はいかがですか?

大城  スタック運用も非常に実用的です。スピーカータワーや吊り設備がない現場でも、WPCのサイズ感なら手で積めるギリギリのラインなんですよ。これ以上大きくなると人力では難しいし、逆にこれ以下だと出力が足りない。

実際、ホールイベントなどでスピーカーを貸し出すケースも多いのですが、「吊りはできない、でもそれなりの音量が必要」という条件下で、WPCはちょうどいい選択肢になります。

通常であれば「1サイズ下げて対応するか」となる場面でも、WPCなら最適な環境を作りやすく、音質面でも妥協がありません。

株式会社大城音響事務所 Martin Audio WPCスタック設置風景

Martin Audio WPCスタック設置風景

導入後に特に効果を感じたポイントはありますか?

大城  やはり一番は「オプティマイズ機能」ですね。一般的なスピーカーシステムでは、基本的にエンジニアの経験に頼る部分が大きく、プリセットを読み込んで鳴らし、測定して調整する…というステップが必要です。しかしWPCの場合、会場の形状やスピーカーの配置を入力するだけで最適化されるため、スタートラインの時点での音の完成度が非常に高いです。

もちろん、その後に微調整する余地もありますが、時間の限られた現場ではこの効率の良さが大きな助けになります。また、ラインアレイでスタックした際に起こりやすい「前方の音が強くなりすぎる」傾向も、WPCではコントロールされています。これも大きなアドバンテージです。

さらに、WPCの-20°まで傾けられるアングル設定も、Martin Audioならではの利点だと思います。

株式会社大城音響事務所 Martin Audio WPCスタック設置風景(背面)

WPCスタック設置風景(背面)

今後、どのような現場でWPCを活用していきたいですか?

大城  今年、倉庫を移転して設備も整ったことで、より大きなスピーカーの運用がしやすくなりました。WPCを導入したことで、取引先からも「大規模案件に対応できる会社」と認識してもらえるようになった実感があります。

現在は、自社保有分(4発×2)だけで対応した現場と、追加で4〜8発をレンタルして対応した現場が半々くらいです。今後は保有数をさらに増やし、大規模会場でのフルスパン・フルオプティマイズ運用も試していきたいと考えています。

特にWPCは、使い方次第で音響の幅を広げられるシステムで、「ただのラインアレイではない」という印象があります。今後も、さまざまな現場で最適なバランスを提供できるシステムとして、積極的に活用していきたいですね。

大城音響スタッフのみなさまとオーディオブレインズ営業チーム

大城音響スタッフのみなさまとオーディオブレインズ営業チーム

株式会社大城音響事務所 Martin Audio iK42、Powersoft T604、T904

WPCにはMartin Audio iK42を、Blackline XにはPowersoft T604およびT904アンプを導入いただきました。

本日は貴重なお話をありがとうございました!