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GainForwardとは | Sound Devices Astral®

GainForwardとは

Sound Devices Astral®シリーズでは、ワイヤレストランスミッターやレシーバー側でゲインを設定する必要はありません。その代わり、ハードワイヤードマイクのトリムを調整するのと同じように、ミキサー側でゲインを調整します。これにより、信号経路のどこにおいても音質が損なわれることはありません。

こんな経験はないでしょうか。トランスミッターのゲインを設定し、出演者の衣装の下にマイクを仕込み、準備を整えて収録を開始します。ところが、最初のテイク、あるいは最初の曲の途中で、出演者が突然、大声で叫んだり、非常に大きな声で歌い始めたりすることがあります。リハーサルでは、そのようなことはなかったのに、という状況です。そうなると、いったん制作を止め、出演者のところへ行って、トランスミッターのゲインを調整しなければなりません。

Astralのトランスミッターなら、このような問題は起こりません。トランスミッター側でゲインを変更するために出演者のところへ行く必要はなく、ハードワイヤードマイクと同じように、ミキサーのトリム段でゲインを調整するだけです。この画期的な機能を可能にしているのが、Sound DevicesのGainForward™ Architectureです。

では、GainForward Architectureとは何でしょうか。これはリモートコントロールなのでしょうか。答えは「いいえ」です。トランスミッター側のゲインを調整するために何らかのリモートコントロール用リンクを使用するシステムとは異なり、GainForwardシステムには遅延がまったくありません。また、リモートコントロールのためにトランスミッターがRF通信範囲外に出てしまうことを心配する必要もありません。

では、なぜトランスミッター側でゲインをコントロールする必要がないのでしょうか。ノイズやヘッドルームの面で不利になることはないのでしょうか。ここでも答えは「いいえ」です。GainForward Architectureは、トランスミッター側でゲインをコントロールし、RFリンクを介して限られたダイナミックレンジの信号を送信するシステムとは異なります。GainForwardでは、マイク入力のダイナミックレンジ全体をRFリンク経由で伝送し、ゲインの調整は受信側で行います。これに対して、アナログFMワイヤレスシステムや、ほとんどのデジタルシステムでは、トランスミッター側でゲインを調整する必要があります。AstralのGainForwardシステムでは、その必要がありません。

ゲインコントロールをトランスミッターからミキサーへ移しても、音質は変わりません。Astralのトランスミッターには、非常に低ノイズのマイクプリアンプが搭載されており、十分なヘッドルームと140 dBを超えるダイナミックレンジを備えています。

GainForward Architectureを可能にするためには、3つの重要な要素があります。1つ目は、非常に低ノイズで、極めて優れたダイナミックレンジを持つマイクプリアンプです。2つ目は、アナログ信号源のダイナミックレンジ全体を取り込むための、特許取得済みのマルチステージADC(アナログ/デジタルコンバーター)トポロジーです。3つ目は、浮動小数点方式によるデジタルRF伝送です。

ここに示されているのは、現在一般的に使用されているRFトランスミッターとレシーバーの典型的な構成です。

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ここに示されているのは、GainForward Architectureを構成する3つの主要な要素を示した、Sound Devices Astral®のアーキテクチャです。

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マイクプリアンプの設計

Astralシリーズのトランスミッターには、FETおよびバイポーラ回路技術の最新の進歩を取り入れた、高性能なマイクプリアンプを搭載しています。Equivalent Input Noise(EIN:等価入力雑音)は、プリアンプのノイズフロアを示す指標で、数値が低いほど優れています。Astralのトランスミッターに搭載されたプリアンプは、-126 dBV(A-weighted)のEINを実現しており、現在入手可能なラベリアマイク用トランスミッタープリアンプの中でも、最も低ノイズなものと考えられます。その性能は、高性能なバランスXLRプリアンプにも匹敵します。

ラベリア用プリアンプは、+5 dBVを超える信号にも対応しています。また、Astral HHおよびAstral TXのバランス入力プリアンプは、+11 dBVまで対応します。つまり、非常にレベルの高い入力信号にも対応できるということです。最高水準の音質を実現するため、徹底したリスニングテストを実施しており、最も要求の厳しい用途にも応えられる、極めてクリアな音質を実現しています。

マルチADCアーキテクチャ

信号経路においてマイクプリアンプの次に位置するのが、マイクからのオーディオ信号をアナログからデジタルのビットストリームへ変換するアナログ/デジタルコンバーター(ADC)です。Astralのすべてのトランスミッターには、ADC段の前段にあるマイクプリアンプのダイナミックレンジ全体を取り込むため、Sound Devicesが特許を取得したマルチADCトポロジー(US9654134B2)が採用されています。

信号は高い忠実度を保ったまま取り込まれ、付加されるノイズはごくわずかで、ヘッドルームが失われることもありません。複数のADCが必要となるのは、現時点では、バッテリー駆動で効率よく動作し、140 dBを超えるダイナミックレンジを持つADCが市場に存在しないためです。

浮動小数点方式によるRF伝送

GainForwardでは、信号のダイナミックレンジ全体を維持したまま、浮動小数点演算を用いてデジタル信号としてRFで空中伝送し、レシーバーへ送ります。

32ビット浮動小数点オーディオファイルによってダイナミックレンジが拡大するのと同様に、これに関連する「Floating-Point RF」という方式を用いて、デジタルオーディオをRFリンク経由で伝送します。ADCから出力されたオーディオサンプルは固定小数点形式から浮動小数点形式へ変換されます。レシーバーでは逆の処理が行われ、浮動小数点信号が固定小数点のオーディオへと変換されます。

このRFエンコーディングおよび伝送方式は、Sound Devices独自の技術です。長年にわたる開発とリスニングテストを通じて進化してきたものであり、すべてのAstralシステムの中核をなす技術です。

よくあるご質問(Q&A)

お客さまからよく寄せられるお問い合せ内容を「Q&A」形式でご覧頂けます。

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いいえ。非常に大きな音を収音する場合には、低感度のマイクが引き続き必要です。ラベリアマイク自体が、大口径ダイアフラムのマイクと比べて、本質的にダイナミックレンジが限られているためです。

Astral Mini自体は、接続されたラベリアマイクが持つ音響上および電気的なダイナミックレンジ全体に対応できますが、大音圧レベルの音源に対しては、ラベリアマイク自体が飽和する場合があります。

そのため、用途に応じて異なる感度のラベリアマイクを使い分ける必要があります。

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いいえ。ゲイン回路のリモートコントロールは一切行っていません。

トランスミッターのゲインをリモートコントロールするシステムと比較すると、これには2つの利点があります。

  • a)トランスミッターがBluetoothやリモートコントロールの通信範囲外にあっても、ミキサーからゲインをコントロールできます。
  • b)トリムノブを動かすのと同じ速さでゲインを調整できます。
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はい。Astral Mini、Astral TX、およびAstralのレシーバーは、ほぼすべてのメーカーのミキサーやミキシングコンソールと組み合わせて使用できます。

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はい。AESはオーディオのダイナミックレンジを144 dBまで伝送できるため、140 dBを超えるマイクのダイナミックレンジに対して十分な性能を備えています。