CASE導入事例
ジャイアンツタウン スタジアム 様

ジャイアンツタウン スタジアムにMartin Audioを中心とした音響システムを導入。「心に響く」サウンド環境を実現
- 事業内容
- 野球観戦はもちろん、日常的に誰もが気軽に集まり楽しめる、マルチユーススタジアム
- 導入製品
- 【Martin Audio社】CDD10-WR(メインスピーカー)、CDD6TX-WR(エキサイトシート、1塁内野、3塁内野屋上庭園、ライトスタンド立見席用スピーカー)、CDD8-WR(外野芝生エリア、仮設スピーカー)ADORN A40(グランド内審判エリア)※全機種防滴仕様
【Symetrix社】Radius NX 12×8 Dante(DSPミキサー)、AEC-2(コントロールパネル)、xIn12(Dante入力拡張ユニット)、Control Server(iPadでSymVueを操作するためのサーバー)、SymVue(タッチパネルコントローラ/iPadを使用)
【Powersoft社】Quattrocanali 1204 DSP+D(DSP搭載4チャンネルパワーアンプ)、Quattrocanali 2404 DSP+D(Dante対応DSP搭載4チャンネルパワーアンプ)
【NETGEAR社】GSM4230P(ネットワックスイッチ)
「心に響く」サウンド環境を実現
2025年3月1日にオープンした「ジャイアンツタウン スタジアム(Gタウン)」は、選⼿とファンの距離が近く、グラウンドの芝や音響設備にもこだわって設計された、先進的なスタジアムです。プロスポーツにふさわしい臨場感と高い明瞭度を実現するため、エリアごとに最適なスピーカーが選定され、空間に合わせた音響システムが構築されました。

選手を間近に感じることができる、開放感あふれるスタジアム
観客に寄り添うスピーカー設計
Gタウンでは、単に「音を鳴らす」だけでなく、各エリアや用途に応じて最適な音響環境を提供することを重視。スピーカーの種類や配置は、音の届き方や聞こえ方を踏まえ、細かく調整されています。メインスピーカーには、広範囲に明瞭な音を届けるMartin Audio「CDD10-WR」が採用されました。


メインスピーカーにMartin Audio「CDD10-WR」を導入
場外への音漏れ対策
屋外施設では、音が思わぬ方向へ飛ぶリスクがあるため、近隣への音漏れ対策が欠かせません。本スタジアムでは、スピーカーを専用ボックスに格納し、指向性を制御。スタンド内へ的確に音を届ける一方、場外への音漏れを最小限に抑えています。このボックスは、防滴・防塵仕様で、風雨や湿気による劣化や故障を防ぎます。

外野、3階席には防滴かつハイインピーダンスモデルのMartin Audio「CDD6TX-WR」、「CDD8TX-WR」を導入。アンプからスピーカーまでの距離が離れているため、ハイインピーダンスに対応した機種を選定
エキサイトシートの臨場感を支える高音質スピーカー
グラウンドに最も近い「エキサイトシート」は、Gタウンならではの臨場感を最大限に味わえる特別な観戦エリア。このシートの特性を最大限に活かすため、高品位な音質と出力を兼ね備えたMartin Audioのスピーカー「CDD6TX-WR」を導入し、プレー音やアナウンス、BGMがよりクリアかつダイナミックに届くよう設計されています。試合と音が一体となることで、観客にとってより印象深い体験になるよう音響面からサポートされています。


臨場感を支えるMartin Audio「CDD6TX-WR」
音ズレ(ディレイ)を防ぐタイミング設計
広大なスタジアム空間では、スピーカーからの音に距離差によるタイムラグが生じます。たとえばGタウンでは、ホームベースからセンターまでの122mで計算上、約0.36秒の遅延が発生。
このわずかなズレが、アナウンスやBGMの聞こえ方に大きく影響を与える原因となるため、各スピーカーの出音タイミングをミリ秒単位で調整。どの座席でも自然に音が聞こえるようディレイ補正を行い、快適な音響空間を実現しました。
1階客席は非常用のスピーカーと兼用しています。
誰でも簡単操作できるタブレット制御システム
音響の制御システムには「直感的な操作性」を重視し、Symetrixのコントロールソフトウェア「SymVue」を採用したタブレット端末による一元管理システムを導入。マイクやBGMなどの操作を直感的に行えるほか、画面はユーザーのレベルに応じてカスタマイズされており、音響の専門知識がない方でも安心して使用できると、現場からも高く評価されています。

直感的な操作で安心して使えるSymetrixのタッチパネル「SymVue」
審判とアナウンス室の円滑な連携を支援
Gタウンのスタジアム音響操作室は、3階フロアに設置されており、試合中に審判と場内アナウンサーとのコミュニケーションが困難になるという懸念がありました。そこで、グラウンド内に審判用と場内アナウンサーが会話できるマイクを設置し、両者間のコミュニケーションが円滑に行えるように音響設備を整備しました。このコミュニケーション用途には、明瞭な音質で定評のあるMartin Audio「ADORN A40」が採用されています。


明瞭な音質のMartin Audio「ADORN A40」
グランド内にはメンテナンスサービス用のパッチ盤も用意され、グランド側からシステム監視を行うことができメンテナンスのしやすさも確保されています。

音響は「感動を届ける演出」の一部
音響は単なる「設備」ではなく、演出の一部として観客の感情に訴えかける重要な要素です。スポーツとエンターテインメントが融合する空間において、音は“感動”を創り出す鍵のひとつ。ジャイアンツタウン スタジアムでは、「音のチカラ」を最大限に活かし、観戦体験の質を高めることで、プロスポーツ施設に求められるサウンドエンジニアリングの最前線を体現しています。
電音エンジニアリング株式会社様が音響プランニング・施工・販売を行いました。
2025年3月1日に開業した「ジャイアンツタウン スタジアム(Gタウン)」に、Martin Audioのスピーカーシステムを中心として、Symetrix、Powersoft、NETGEARの各種音響機器が導入されました(音響プランニング・施工・販売:電音エンジニアリング株式会社)。