CASE導入事例

両国国技館 様

両国国技館

両国国技館にWPSシステム他Martin Audioが大量導入。Symetrix、AVID、Luminexが支える最先端のオーディオシステム

事業内容
大相撲の興行のための施設。プロレス、ボクシングなどの格闘技の興行会場、その他のスポーツ競技の会場、ポピュラー音楽のライブ会場としても使用される。
導入製品
Martin Audio社 WPSシステム、SXCF118、TORUS、iKON iK42
Symetrix社 Radius NX 12×8 Dante、Edge Frame、W4
AVID社 S6L-32D-192、Stage 64
Luminex社 Gigacore 10、Gigacore 12、Gigacore 26i

最大1万人収容可能な空間に最新設備を完備し、伝統と文化が魅せる新しい感動体験を提供する両国国技館に、Martin Audio社が誇るラインアレイスピーカーWPSシステムをはじめ、オーディオブレインズ取扱製品が多数導入。最新設備の音響を支えています。

品格ある舞台で生まれる感動

両国国技館は日本の国技である相撲を目的とした唯一の建築物であり、これまで数々の歴史的な取組が行われてきました。相撲の歴史はおよそ2000年前に始まったと言われており、現在のスタイルに定着したのが約300年前です。

相撲は日本に定着し、国技となり引き継がれてきました。それゆえ日本人で両国国技館という名前を知らない人はいないぐらい、有名な建築物です。力士はここで賜杯を手に取ることを夢見て、毎日稽古を重ねています。相撲は日本の国技ゆえ天皇陛下が観覧に訪れることもあり、陛下のための席も用意されています。

両国国技館は相撲の開催期間以外には、プロレス、コンサート、企業イベントなど多種多様な用途で使用されています。

両国国技館

メインスピーカーのMartin Audio WPSシステムと重低域を補填するSXCF118サブウーハー

小さな音から大きな音まで。バランスよく再生可能なシステム

音響システムの選定を担当された赤塩氏にお話を伺いました。
「相撲では、土俵上で取組中に発せられる小さな音から大きな音まで、バランスよく再生可能なシステムが求められます。また2階椅子席の最後列まで、小さな音がしっかりと聞き取れることで、臨場感あふれる取り組みが楽しめます。まずはこの課題がクリアーできるシステムを構築したいと考えました。

今回のシステム更新に際し、Display3によるシミュレーションを繰り返し行いました。そしてMartin Audioの3ウェイ・パッシブ・ラインアレイモジュール「WPS」を中心とした構成が、サイズや重量、そして明瞭度、またSPLやコントロール性能など、国技館が求める“様々な催しにも対応可能な優れたシステム構成である”ということを確認することができました。

そしてWPS以外にMartin Audioのカーディオイドサブウーハー「SXCF118」を追加し、要望の多かった重低域の充実をはかりました。またコンスタントカーバチャーアレイ「TORUS」を真下向けに設置することで、土俵上に吊られた屋形の影響で明瞭度を得ることが難しかったエリアへも、容易に音を届けられるようになりました。催物に際しても、様々な要望に柔軟に応えることが出来る良いシステムになりました。」

D-Cerno接続イメージ

TORUSの設置により、屋形の影響で明瞭度を得ることが難しかったエリアへも音が届けられるように

アナログ的に操作していた音響システムがタッチパネルで直感的に操作できるようになり、使い勝手が大きく向上

また今回のスピーカーシステム更新に先立ち、プロセッサー、オーディオミキサーの更新も約3年前から段階的に実施されてきました。Symetrixのプロセッサー「Radius NX 12×8 Dante」が2台、「Edge Frame」8台がスピーカーマネージメントの他、オーディオシステム全体のプロセッシングを担当しています。

D-Cerno接続イメージ

写真左はSymetrix、写真右はスピーカーを駆動するMartin Audio iKON iK42アンプ

そしてユーザー様に合わせてカスタマイズできる「SymVue」タッチパネルコントローラーを採用し、催事に合わせた5つのグローバルプリセットの管理の他、マトリクス、ディレイ、レベルなどを全てフレキシブルに変更することができるようになりました。

今までアナログ的に操作していた音響システムをタッチパネルで直感的に操作できるように更新し、使い勝手は大きく向上しました。また予備機としてSymetrixの「W4」ウォールコントローラーが設置されており、こちらでも操作が可能です。

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「SymVue」タッチパネルコントローラーで操作が直感的に

オーディオミキサーにAVID S6L-32D-192システムが採用

オーディオミキサーに関してはAVIDの「S6L-32D-192システム」がメインコンソールとして活躍。エンジン、サーフェイス、ステージラック全ての電源が二重化され、冗長性に優れた点を評価いただいたことが採用の決め手となりました。「Stage 64」ステージボックスと合わせ、国技館のオーディオをサポートしています。

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メインコンソールとして活躍するAVID S6L-32D-192システム

ネットワークスイッチにはLuminexが採用され最先端のオーディオシステムが導入

ネットワークはDanteをメインとしたシステムで構成され、Luminexの「Gigacore 10」が2台、「Gigacore 12」が3台、「Gigacore 26i」1台がネットワークスイッチとして採用されました。今回のスピーカー更新と合わせて、最先端のオーディオシステムの導入が完了しました。

調整を担当したオーディオブレインズの太田はこう語ります。
「伝統ある両国国技館の調整は初めてでしたが、調整は測定器に頼ることなく、赤塩氏と実際に音を聴きながら作業を進めました。今回導入いただいたスピーカーシステムは、垂直方向において最後部で明瞭度を保ちながら反射も抑える、いわば相反する課題へも容易に追従してくれました。」

D-Cerno接続イメージ