CASE導入事例

立命館大学 様

立命館大学

SymVue機能を利用した遠隔監視システムでDSPミキサーの「仕事」を可視化することで、トラブルの原因特定が容易に。

事業内容
2020年に創始150年、学園創立120周年を迎えた、日本の私立総合学園のなかでも、歴史と伝統をもつ学園のひとつ
導入製品
Symetrix社 DSPミキサー、Composerソフトウェア

全国各地にキャンパスを構える立命館大学は、キャンパス・学校の枠を越えた合同の授業や、交流授業を行えるようにすべてのキャンパスに遠隔講義室を設置している。

大講義室、ディスカッション型の教室、情報教室型の3種類の教室を整備しており、学内での多拠点通話はもちろん、学外とも通話をすることができる。そんな最新鋭の講義システムの影にはSymetrix製品が活躍しているのだ。

立命館大学の教室の音響機器選定を担う、情報システム部情報基盤課の倉科健吾氏にお話を伺った。

ISDN時代の頃からビデオ会議システムに携わっていたという倉科氏だが、当時からエコーキャンセラーや遠隔地でのトラブルには悩まされていたそうだ。遠隔地からの「音が聴こえない。」「音が変です。」と言った抽象的な申告だけでは何が起きているかを把握することができず、またその申告自体がユーザーの感じたイメージで事実とずれていると、問題がさらに複雑化することがある。

倉科氏はこういった経験から、問題点が正確に可視化できるシステムを常に考えていたという。Symetrix DSP及びそのSymVue機能を使用することで、氏の10年越しの夢が叶った。「この画期的なSymVue機能によって、DSPミキサーがブラックボックスじゃなくなった!」と倉科氏は嬉々として語る。

これまでDSPミキサーと言えば、専用のソフトウェアとコンピューターを接続しないと設定を確認することができなかった。SymVue機能を使用すれば、図面だけではわかりえなかったDSPミキサーの「仕事」を可視化することができ、その上専門的な知識が必要となる設定には触れることなく、ユーザーがパラメーターの調整をすることができる。倉科氏の理想とする“わかりやすくシンプルなシステム”にSymVue機能はベストマッチだったようだ。その倉科氏がお気に入りのSymVue機能と実際の制御画面をいくつかご紹介したい。

SymVue機能とは?

Symetrix Composerソフトウェアを使用する、全てのSymetrix DSPに搭載されているリモートコントロール機能の一つ。Composerソフトウェアのほぼ全てのモジュール(フェーダーやスイッチ、メーターなど)の機能や、任意の画像などを自由に配置し、カスタムコントロールパネルを作成できる。接続はEthernet経由で、画面階層や複数画面、同時アクセスやタッチパネルにも対応。Symetrix DSP内の制御に限らず、Symetrix DSPに接続された外部機器のコントロールも可能。

<立命館大学 衣笠キャンパス/学而館>

立命館大学 衣笠キャンパス 学而館のSymVue画面

立命館大学 衣笠キャンパス 学而館のSymVue画面

各音量メーターに加え、Symetrix DSP本体の内部ファンのスピードや機器内部の温度、その最大温度の日時などDSPのステータスもモニターしている。万が一電源部に異常があった場合も、画面上のランプが点灯し機器の異常を知らせてくれる。

画面右下でモニターしているカメラプリセットは、Symetrix DSPに接続された5つの物理スイッチが押されると、それぞれ設定されたコマンドがUDP/IP経由でカメラに送信されパンする仕組み。通常のオーディオミックスに加え、Symetrix DSPを専用の制御装置の様に使用している。

<立命館アジア太平洋大学(APU)>

立命館アジア太平洋大学(APU)のSymVue画面

立命館アジア太平洋大学(APU)のSymVue画面

各入出力のメーターに加え、TV会議コーデックの入出力メーターも監視している。それにより音が大きい、小さいなどのトラブルが起こった場合にも簡単に原因を特定することができる。SymVue機能はこのような遠隔地のトラブルシューティングにも有用である。

「コーデックの入り口と出口の音の状態がモニター出来るのは理想的。」と語る倉科氏。画面上部のStatus表示は、学而館同様に、万が一電源と温度に異常が発生した場合に画面上のランプが点灯し知らせてくれる。グラフィカルに描かれた信号の流れは、倉科氏のわかりやすさを追求する姿勢の表れだ。

<立命館大学 びわこ・くさつキャンパス>

立命館大学 びわこ・くさつキャンパスのSymVue画面

立命館大学 びわこ・くさつキャンパスのSymVue画面

他と同様にDSPの状態監視と入出力のメーター監視を行っているが、こちらは中央のAECメーターでエコーキャンセラーのキャンセル度合いも監視している。中でも特筆すべきは右上の遠隔再起動機能だろう。これはSymetrix DSPからネットワークコントロール対応の電源制御装置にコマンドを送り、TV会議システムやシステムコントローラーの再起動を遠隔操作できる。こちらのSymVue画面も万が一のトラブルに備えての対応と、その問題の切り分けを簡単に行うための配慮が見られる。

<立命館学園様でのSymetrixの主な導入場所>

■立命館大学 衣笠キャンパス
存心館(模擬法廷教室、大教室、中教室)
学而館(中教室、大教室)
明学館(中教室、大教室)
遠隔会議室
■立命館大学 びわこ・くさつキャンパス(BKC)
コラーニングハウスⅡ
プリズムハウス
大会議室
小ホール
遠隔講義室
■立命館いばらきフューチャープラザ
コロキウム
■立命館小学校
教員室
■立命館アジア太平洋大学(APU)
小会議室
情報教室
遠隔講義大教室
倉科氏

今回取材に応じてくださった倉科氏。立命館大学びわこ・くさつキャンパスにて撮影。

営業担当より

本記事では全てを紹介することはできないが、倉科氏が理想とする「オペレーターのスキルを問わず画面を見れば何が起こってるかがわかるインターフェイス」を垣間見ることができたのではないだろうか。「SymVue画面は常に未完成(笑)」とも語る倉科氏のチャレンジは今も続いている。