CASE導入事例

立命館大学 びわこ・くさつキャンパス ローム記念館 様

立命館大学 びわこ・くさつキャンパス

びわこ・くさつキャンパス ローム記念館にMartin Audio, Powersoft, Symetrix, PRAGMA製品が導入

事業内容
琵琶湖の南東、滋賀県が整備を進める「びわこ文化公園都市」の一角にあり、立命館大学の新しい教育・研究の拠点として開設されたキャンパス
導入製品
Martin Audio社 スピーカー、Powersoft社 パワーアンプ、Symetrix社 DSPミキサー、PRAGMA社 モーターフェーダーユニット

通常の教室とは違う“研究施設”と位置づけられるこのローム記念館に、Martin Audio社製スピーカーCDD15/C8.1T/C4.8T、Powersoft社製パワーアンプ DueCanali1604/Quattrocanali1204、Symetrix社製DSPミキサー RadiusAEC、PRAGMA社製モーターフェーダーユニット ARVIGO moto2を導入していただいた。

教室とは違い、研究とその学外への発信という機能を担ったこの建物は、今回のAV改修によってどのような変化を遂げたのだろうか?Symetrix RadiusAECにまとめられた各音声は、Danteを経由してPowersoft パワーアンプへ。そしてMartin Audio スピーカーへ伝送される。

このローム記念館を含む立命館大学の教室の音響機器選定を担う、情報システム部情報基盤課の倉科健吾氏にお話を伺った。

4K映像と並べられるほど解像度の高い音

「学会などで一度使っていただいた方に、また来たいと言ってもらいたい。学内外を問わず色々な人が来るからこそ、音質には特にこだわりたかった。」と倉科氏は語る。これまでに使用していたスピーカーに特別な不満があったわけではないが、「教室ではない特別な空間には特別なスピーカーを」という理由からMartin Audioのスピーカーに白羽の矢が立った。採用されたメインスピーカーはCDD15が1対向だ。

倉科氏に“特別”と言わしめたこのCDDシリーズは独自の同軸非対称拡散特性スピーカーユニットを搭載し、高音質なことはもちろん、これまでにない広いカバーエリアを提供することができる。ローム記念館は階段状の教室のため、どこにいても均一に音が聴こえる事も選択した理由の一つだという。

さらに後方席には補助用として同社シーリングスピーカーC8.1TとC4.8Tが4発ずつ取り付けられ、200人弱収容できるというこの空間は完全にカバーされていた。ステージ上も事前に音圧シミュレーションを行っていたため十分なハウリングマージンがあった。「4K映像と並べられるほど解像度の高い音」と音質にも満足してもらえたようだ。

音量調整のコントローラーにも倉科氏のこだわりと気遣いを見ることができた。「オペレーターの技術レベルやオペレーターの有無に関わらず、誰が見ても一目でわかる直感的なシステムというのを常に心掛けている。」と語る倉科氏の選択はPRAGMAのモーターフェーダーユニットARVIGO moto2だった。

「ミキシングコンソールを入れなかったことはある意味挑戦だった。」

ARVIGO moto2は60mmのモーターフェーダー8本と5つのスイッチのみで構成される、シンプルなSymetrixDSP用のリモートコントロールユニットだ。通常こういった場面ではフェーダー操作のためミキシングコンソールが必要とされるが、教員や学生が利用する機会が多く難しい印象があったり、不意な操作でトラブルを起こしてしまうことがあるという。

またミキシングコンソールはアマチュアには複雑すぎるため、機能を制限してしまう事も多い。しかし、いざプロフェッショナルなオペレーターが来た場合は対応しきれず、コンソールを持ち込まれることが多いという実情を踏まえた結果が今回の選択となった。「わかりやすいことが前提だが、実は最高品質のシステムが入っており、プロのオペレーターが来た時にも十分に対応できる。」と自信を見せた。

ARVIGO moto2

モーターフェーダーユニットARVIGO moto2

Symetrix DSPミキサーとPowersoft パワーアンプがDanteを搭載している事も大きなメリットだったという。Danteを採用した結果、省線化はもちろん、パッチ盤すら用意する必要がないため大幅に工期が短縮された。また音質の劣化が最小限なことと、今後の拡張性の高さもDanteを採用したメリットの一つだ。パッチ盤では実現できなかった「ワンボタンで全てがデフォルト設定に戻せる」といった機能もデジタルならではと語る。

その一方で「図面を見ただけではUTPの表記のみで実際の音のルーティングがわからない。そこを可視化することが今後の課題。」とわかりやすさを追求する倉科氏らしい意見もあった。

ローム記念館

大小会議室を備え、研究活動だけでなく講演会場やコンサート会場としても利用されているローム記念館

営業担当より

今回お話を伺ったローム記念館は、研究成果を発表するシンポジウムの場として利用されるだけではなく、コンサートなども行われているというのも頷ける音質に仕上がっていた。まさに“特別”にふさわしい空間になったのではないだろうか。

倉科氏の「シンプルでわかりやすい簡単なシステム、ただしプロのオペレーターが来ても満足できるシステム」という信念がそのまま実現されたシステムだった。