CASE導入事例

ノエビアスタジアム神戸(御崎公園球技場) 様

ノエビアスタジアム神戸(御崎公園球技場)

パワフルなDSPにより正確なクロスオーバーとリミッター設定を全ての出力系統に施すことができるので、過酷な環境下であっても安心してシステムを運用することができます。

事業内容
球技専用スタジアム
導入製品
Powersoft社 X8 DSP+Dante、Ottocanali 12K4 DSP+D、Ottocanali 8K4 DSP+D、Ottocanali 4K4 DSP+D、ArmoniaPlusソフトウェア

ゲームの臨場感、ピッチとスタンドの一体感に溢れた体感型スタジアム「ノエビアスタジアム神戸(御崎公園球技場)」にPowersoftが導入されました。

ラグビーワールドカップのメイン会場にPowersoftが導入

1970年設立のノエビアスタジアム神戸(御崎公園球技場)は、神戸市で長い歴史を誇る球技専用スタジアムです。約30,000人の収容人数を誇るこちらのスタジアムは、現在スペインの至宝イニエスタが活躍しているJ1リーグのヴィッセル神戸、日本女子サッカーリーグのINAC神戸レオネッサ、そしてラグビートップリーグの神戸製鋼コベルコスティーラーズの本拠地として、地域の象徴的な役割を果たしています。

2002 FIFAワールドカップに続き、2019年にはラグビーワールドカップのメイン会場の一つとしても活躍したことは記憶に新しく、国際的に重要なスポーツイベントを数多くサポートしています。

ノエビアスタジアム神戸(御崎公園球技場)

ピッチとスタンドの一体感に溢れた球技場内の様子

過酷な環境下においても安心してシステム運用が可能に

この度アジア初開催となった、ラグビーワールドカップ2019日本大会。ノエビアスタジアムではイングランド対アメリカ、スコットランド対サモア、アイルランド対ロシア、南アフリカ対カナダの試合を開催する栄誉を受け、大会期間中数々の熱戦が繰り広げられました。ノエビアスタジアムの音響システムには、このような輝かしい機会を最大限にサポートするため、Powersoftが導入されることとなりました。

「ノエビアスタジアムのような近代的なオーディオシステムでは、アナウンスや音楽のプレイバック、そしてコマーシャルなどを大規模に処理できる必要があります。」とPowersoft社ビジネス開発マネージャーのマーク氏はコメントします。

「スタジアムの改修及びデザインを行う上で、拡張性と柔軟性を考慮することは非常に大切です。すべてのアンプにDSPを内蔵し、Danteデジタル音声へ対応したモデルを採用したことは特筆すべき点です。結果としてユーザーは、マウスをクリックすることで、様々なコンフィグレーションを瞬時に切り替えて使用することが可能になりました。同時にパワフルなDSPにより、正確なクロスオーバーとリミッター設定を全ての出力系統に施すことができるので、過酷な環境下であっても安心してシステムを運用することができます。」

計32台のPowersoftアンプが音響システムをサポート

スタジアム改修の設計を務めたTOA株式会社の有賀氏は、X8 DSP+Danteを24台、Ottocanali 12K4 DSP+Dを6台、Ottocanali 8K4 DSP+DとOttocanali 4K4 DSP+Dを各1台の計32台のアンプでシステムを組み上げました。

X8はメインスピーカー用、Ottocanali 12K4はデッドスペースとなる上段客席を補助するためのスピーカー用、Ottocanali 8K4は持ち込みスピーカー回線用、そしてOttocanali 4K4は運用系統のHi-Z伝送スピーカー用として駆動しています。これらのアンプはサッカーやラグビーの試合中に、大型映像スクリーンに映し出されるコンテンツの音声再生や様々なアナウンスの音声を会場スピーカーに届けています。

専用のオペレーションルームには、ミキサー卓とプレイバック機器を設置。離れた2か所のアンプ室へは、Dante規格にて音声伝送されます。

ノエビアスタジアム神戸(御崎公園球技場)

音響システムをサポートするPowersoftアンプ

独自の機能を持つArmoniaPlusにより正確且つ直感的にアコースティックを制御

「スタジアムは反響時間が非常に長く、音の出口が様々な個所に点在するため、音響調整は容易ではありません。」とシステムのチューニングを行った、フーリエインテルナショナルの湯浅氏はコメントします。
「開閉式の屋根設計のため、様々な環境下で使用される会場の調整は、複雑で困難なものになりがちです。しかしArmoniaPlus(Powersoft全製品を制御監視可能にするソフトウェア)を用いグループ機能を駆使することで、スピーカーレイアウトに対して直感的にアクセスすることができ、悩むことはありませんでした。EQ面ではRaised Cosineフィルターを使用し、現場ではそれが非常に効果的に作用しました。」

湯浅氏はさらに、ArmoniaPlusの特異点をこうコメントしています。「ArmoniaPlusで気に入っている機能は、InteractiveチューニングとLimiterの効き具合です。特にInteractiveチューニング機能は非常に優れています。SmaartとArmoniaPlusが完璧に連動するため、1つの画面でより正確でダイレクトなEQ調整ができました。更に測定ノイズのない状況でも、正確に波形特性が予測できることは他社にはない特徴で、実際の現場ではよりノイズレスにストレスの少ない状況を創り出すことができます。」

ライブインピーダンス監視機能によりスピーカーの健康状態を常に正確に把握

有賀氏はArmoniaPlusでの監視機能について述べます。「このような大規模な設備環境で、オペレーションルームとアンプ室が長距離になるケースは特別なことではありません。こういったケースでは、パワーアンプの状態や出力の監視に悩まされることがよくありました。しかしArmoniaPlusを使用することで、この悩みはすべて解消されています。

ArmoniaPlusでは、Workspace上にパワーアンプの配置と紐づくスピーカーをグラフィカルに配置することで、実際のスタジアムのレイアウトを画面上に模写することができます。更にOperator View機能を使用すると、オペレートを行う上で必要な機能のみをピックアップして、自由にカスタマイズ画面を構築することができます。今回は全出力のヘッドルーム監視を、1つの画面で実現しています。」

ノエビアスタジアム神戸(御崎公園球技場)

グラフィカルなArmoniaPlusソフトウェア

更に有賀氏は続けます。「スタジアムでは、専用オペレーターがいないことも想定しないといけません。Operator Viewでは、グループを組んだゾーンごとのMuteと、各出力のヘッドルーム監視ができる画面になっているので、簡単に制御と全体監視が可能です。これはWorkspaceで詳細に作り上げた設定を守る、という役割も同時に果たしており、大変気に入っています。」

「更にメンテナンスという観点では、全出力に搭載されているライブインピーダンス監視機能は非常に魅力的です。各出力でのインピーダンスの波形は、常にリアルタイムで描写されます。また保存したリファレンス波形との比較も可能なため、接続されたスピーカーの健康状態を常に正確に把握することができます。長期的に使用される設備環境では、この機能をメンテナンスツールとして活用できるので、今後のメンテナンスが楽しみです。」

営業担当より

数多の名勝負で日本中を魅了したラグビーワールドカップ2019。Powersoftが少しでも貢献できたことを嬉しく思います!