CASE導入事例
大阪・関西万博 EXPOアリーナ「Matsuri」様

大阪・関西万博最大の屋外イベント拠点EXPOアリーナ「Matsuri」にMartin Audioのラインアレイ「Wavefront Precisionシリーズ」を導入
- 事業内容
- 2025年4月13日-10月13日の184日間に渡り、大阪 夢洲(ゆめしま)で開催される国際博覧会であり、総合的なテーマを扱う大規模博覧会
- 導入製品
- Martin Audio社 WPL-PU(メインスピーカー)、SXH218(サブウーファー)、WPS-B-MAR(インフィル)、WPS-B-MAR+SXCF118(サイドフィル)、XE300(ステージモニター)、iK42-DANTE(アンプ)、FP8(FOHモニター)
16,000人収容のEXPOアリーナをMartin Audioがくまなくカバー
大阪・関西万博は、2005年に開催された愛・地球博に続き、20年ぶりに日本で開催される国際博覧会です。
主要会場のひとつ、EXPOアリーナ「Matsuri」は、万博最大の屋外イベント拠点で、収容人数は約1万6000人。明るい緑色の人工芝が敷き詰められた場内には、前方に大型スクリーンが配備され、開幕初日の2025年4月13日には、歌い手・Adoさんによるオープニングスペシャルライブが華々しく行われました。
開催期間中、海外の音楽イベント、よさこい祭り、交流盆踊りなど、多彩な催しが予定されています。

青い空と緑の芝のコントラストが美しい、自然と一体化した会場
音響面では、メインスピーカーにMartin AudioのWavefront Precisionラインアレイ「WPL」の防滴モデルを導入。広大なアリーナ空間に対し、正確なカバレージと迫力ある音圧を両立します。
サブウーファーには力強く身体に響く重低音を実現する「SXH218」、インフィルにはステージ付近でも明瞭な音像定位を確保する「WPS」、サイドフィルには「WPS+SXCF118」が採用され、それぞれ会場全体をくまなくカバーできるようプランニングされています。

ステージ下に鎮座する20台のサブウーファー「SXH218」

ステージ上に設置されたインフィル「WPS-B-MAR」

舞台袖から見るサイドフィル「WPS-B-MAR+SXCF118」
またステージモニターには「XE300」が導入され、アーティストにとって快適なモニタリング環境を提供します。スピーカーはすべて、Martin Audio製品の性能を最大限に引き出す、DSP搭載アンプ「iK42」で駆動しています。

DSP搭載アンプ「iK42」
最適化演算で音質と騒音問題を両立
Martin AudioのWavefront Precisionシリーズは、オーディエンス全体に最適なリスニング体験を届ける“オプティマイズ・アレイ”として高く評価されており、今回の導入でもその実力を存分に発揮しています。このMartin Audio独自のオプティマイゼーション(最適化演算)は、騒音問題も併せて解決した音場を作り出しています。

ステージ上から望む景色
この度の導入に際し、設計・施工に携わられた、株式会社システムエンジニアリングの後藤様(営業)、河内様(技術)、矢持様(設計)、橋本様(施工管理)にお話を伺いました。

左から河内様、後藤様、橋本様
—Martin Audioを採用いただいた経緯を教えてください。
後藤 以前から「良い音を出したいが、コストも抑えたい」という現場でMartin Audioを採用させていただくことが多く、また試聴会で何度も音を聴いていたことから、信頼感がありました。
今回の万博では、音質や性能に加えてコスト面も重視する必要があり、コストメリットも出せるMartin Audioを候補に挙げました。万博協会に提案する際にご提供いただいた音響シミュレーションも非常にスピーディで、安心してお任せすることができました。
—設計面で苦労された点はありますか?
河内 元々は仮設を前提とした設計図面だったため、ケーブルもすべて床に転がしているような状態でした。EXPOアリーナは万博開催期間中のみ使用される設備なので、ある程度は仮設仕様でも問題ないのですが、多様なイベントに対応する必要があるため、半年間トラブルなく稼働するシステムが必要です。新たに図面を引き直し、仮設と常設のバランスが取れたシステムを構築するのに苦労しました。
矢持 スピーカーの台数やレイアウトが決まるまでに何度も変更がありましたが、その都度最適なシミュレーションをご提示いただき、とても助かりました。
—施工面で工夫された点や難しかった部分はありますか?
橋本 特に屋外という点で苦労したのが、スピーカーの「振れ止め」です。会場が海に近いこともあり、風速10数メートルの強風が吹くこともあります。最終的には、フライング金具やスピーカーの取手部分をうまく活用し、強風にもびくともしない、しっかりとした振れ止めを実現できました。

メインスピーカー「WPL-PU」
—Martin Audioを採用して良かったと感じるポイントがあれば教えてください。
橋本 機能面ではやはり、指向性を細かく調整できる点が大きいです。減衰を設定しているエリアから、本当にストンと音が消える。会場を出た瞬間に「音が消えた!」と感動しました。これだけ大規模なシステムでありながら大きなトラブルもなく、こけら落としの後には「いい音だった」とお声をいただきました。
このような国際的な博覧会にMartin Audioを採用いただき大変光栄です。会期終了まで、しっかりとサポートさせていただきます。
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2025年大阪・関西万博の主要会場のひとつであるEXPOアリーナ「Matsuri」に、ラインアレイ「Wavefront Precisionシリーズ」を始めとするMartin Audioの音響システムが多数導入されました。