CASE導入事例
ダイキン工業株式会社 様
ダイキン工業株式会社 役員会議室にTelevic、Symetrix、Visionary Solutions、Martin Audio、Powersoftを導入
- 事業内容
- ダイキン工業株式会社は、空調・冷凍機、化学製品、空気清浄機器などを製造・販売する総合空調メーカーで、家庭用から業務用まで幅広い空調機器を展開し、世界トップクラスのシェアを持つ。冷媒やフッ素化学製品の開発にも力を入れており、快適で健康的な空間づくりに貢献している。
- 導入製品
- Televic、Symetrix、Visionary Solutions、Martin Audio、Powersoft
—導入前の会議室やプレゼンテーション環境では、オーディオ面でどのような課題がありましたか?
ダイキン工業 導入前の会議室は、デザイン性を重視していたこともあり、バウンダリーマイクをテーブルに内蔵する形で設置していました。見た目は非常にすっきりしていたのですが、書類をめくる音や食器を置く音など、不要な雑音まで拾ってしまう点が課題でした。
さらに、使用する方の声質や声量によってはマイクとの相性が合わず、スピーカーの配置も最適とは言えなかったため、集音性に課題がありました。また、物理スイッチによる制御も非常に限定的で、柔軟な運用が難しい点も改善したいと考えていました。
映像システム 以前のダイキン工業様の役員会議室には、多数のマイクが設置されていましたが、室内の構造上、ハウリングが起こりやすいという課題がありました。役員の方々をはじめ、重要なお客様も多く訪れる会議室ということで、室内の拡声性能をしっかりと確保したいという要望が以前からありました。
また、ZoomなどのWeb会議システムの導入が進む中で、従来の音響設備では明瞭な音声伝達が難しくなってきているという認識もあり、改善が求められていました。
77席の役員会議室。各席にTelevicの会議マイクユニットを設置
日本語・英語・中国語に対応するよう設定されたマイクユニット Televic「Confidea FLEX」。ダイキン工業様のロゴもディスプレイに表示。
—オーディオシステムの導入を検討されたきっかけを教えてください。
ダイキン工業 既存のシステムを導入してから約15年が経過し、会議を取り巻く環境も大きく変化してきました。これまでにも何度か調整を試みてきましたが、根本的な課題解決には至らず、ちょうどそのタイミングで本社の移転計画が持ち上がりました。
当時はコロナ禍の影響もあり、海外とのWeb会議が急増していたため、「話者の声を的確に拾い、雑音を抑えつつ、誰でも簡単に操作・運用できるシステム」が理想像としてありました。特に、役員をはじめとする重要な出席者が参加する会議においては、集音のクオリティが非常に重視されており、まさにこの移転を機にシステムを刷新するのは最適なタイミングでした。
また、メーカー選定の際には、通訳者の使いやすさも重要な要素でした。通訳者は、日頃から使い慣れている機器を好む傾向があるため、そのニーズに合う製品を探していました。最終的にTelevicがベルギーのメーカーであると知り、当社の欧州拠点に確認したところ、すでに現地でも導入実績があることがわかり、信頼性の高さから本格的に検討を開始しました。
実際に通訳者にも打合せに参加してもらい、操作性に問題がないことも確認できたため、安心して導入を決定することができました。
同時通訳コンソール Televic「Lingua ID」
—どのような場面で、新しい会議システムを活用されていますか?
ダイキン工業 主に海外拠点との会議で活用しています。Zoomを使用したWeb会議が中心で、同時通訳による多言語対応が基本となっています。
役員会議室には日・英・中の通訳ブースを常設しており、通訳者がブース内から発言した音声は会議室の設備とPCを通じてZoom参加者にも届けられるため、通訳者が意識せずともZoom参加者へ対応できる環境が整っています。会議運営は、室内に設置された事務局用の卓から簡単な操作で行え、マイク操作も基本的にON/OFFのみとシンプルなため、参加者にとっても非常にスムーズです。
さらに、タッチパネルからの座席イラスト操作では、天井取り付けカメラを使って表彰式などで個人にズームインすることもでき、そのレスポンスの良さが大変役立っています。また、ピンマイクを導入したことで、セミナーや登壇形式の会議にも柔軟に対応できるようになりました。
日・英・中の通訳ブース内に設置された同時通訳コンソール Televic「Lingua ID」
タッチパネルによる役員会議室AVの一括制御
—導入後の変化や効果について教えてください。
映像システム 特にZoomを使用した会議において、以前は「音声が途切れる」「聞こえにくい」といったトラブルが散見されていました。しかし、オーディオブレインズが取り扱う新しい音声処理機材を導入したことで、音声ルーティングが最適化され、非常にクリアな音声が伝わるようになったと実感しています。
実際に通訳者からも、「以前は発言者の声が聞き取りにくいことがあったが、今は明瞭に聞こえる」といった好意的な声をもらっており、安心して会議を運用できる環境が整ったと感じています。
卓上フレキシブルマイクユニット Televic「Confidea FLEX」
ダイキン工業 Televicのグースネックマイクを導入したことで、参加者が自然にマイクの方向を意識するようになり、発言の明瞭さが大きく向上しました。広い会議室において、参加者が自分でマイクをONにして話すスタイルが定着し、「聞こえにくい」という問題が大幅に減少しました。
また、自身の声が確実に集音・拡声されていることが実感できるため、発言中の不安が解消され、話の内容に集中できる点が非常に好評です。
加えて、参加者からネガティブなフィードバックが全く出ていないという点も大きな成果だと感じています。小さな声もしっかり拾えていますし、大きな声によるハウリングなども起こらず、フェーダーでの音量調整だけで全体を高品質に制御できていると感じます。
その他導入製品
AV over IP エンコーダー/デコーダー群 Visionary Solutions「4100シリーズ」
正面スピーカー Martin Audio「CDD8」
天井スピーカー Martin Audio「ACS-40TS」
Televic Lingua IR 音声分配システム(Lingua IR用充電収納ケース「Lingua CHC」、デジタル赤外線レシーバー「Lingua R」)
Televic Lingua IR 音声分配システム(デジタル赤外線ラジエーター「Lingua RAD」)
DSP群:Symetrix「Prism 0×0」、「Radius NX12×8 Dante」、「Edge Dante」
アンプ群:Powersoft「Mezzo 324AD」、「Duecanali 1604 DSP」等

空調機器のグローバルリーダーであるダイキン工業株式会社様の役員会議室に、Televic、Symetrix、Visionary Solutions、Powersoft、Martin Audioの各製品を導入いただきました。本社を構える大阪にて、導入の背景や運用後のご感想について、ダイキン工業株式会社様および、本プロジェクトでシステムの設計・提案を担当された株式会社映像システム様にお話を伺いました。