CASE導入事例

Clockenflap(国:香港)

Clockenflap

騒⾳問題に応えたMartin Audio MLAとMSIのシステム

事業内容
香港最大級の都市型野外フェスティバル
導入製品
Martin Audio社 MLAラインアレイシステム

香港最大級の音楽フェス「Clockenflap」(クロッケンフラップ)が2023年12月1日から3日までセントラル・ハーバーフロントで開催され、香港ピークを背に、九龍まで見渡せるハーバーフラップのメインステージを含む6つのステージでエンターテイメントが繰り広げられた。

Martin Audio MLAシステムを設計し、ステージ後方で30dB近い除去率を達成

今回もMSI JAPANがハーバーフラップステージのプロダクション・パートナーに指名され、ホテ “Bun” ブンシロウ、ワタナベ “Yasu” ヤスヒコ、タナダ “Eddie” ユキオが、特に騒音対策に重点を置いたサウンド・デザインを担当した。

ステージ後方は官公庁や住宅地に囲まれており、過去には住民からの苦情もあったため、そちらに向かう音声を制限することが課題であった。そこでチームは、30個のMLXサブウーファーからなるカーディオイド・サブウーファー・アレイを備えたMartin Audio MLAシステムを設計し、ステージ後方で30dB近い除去率を達成した。

15台のMartin Audio MLAラインアレイキャビネットの2ハングと、1台のMLDダウンフィルがDisplayソフトウェアに接続され、MSIはステージ上やステージ裏の住民からの音声を排除するために後部の「ハード回避」機能を使って観客のカバレージをコントロールできるようにした。観客に最大限のフォーカスを当て、音が海を越えて九龍に伝わるのを防ぐため、観客エリアの端に制限を設けた。

Clockenflap

政府からの最大の要望のひとつは、住民への騒音対策

ClockenflapのサウンドディレクターであるSem Cigna氏は、2016年からClockenflapで数種類のメインステージシステムを担当しており、2019年に香港で行われた歌手グウェン・ステファニーのコンサートでも同様のMLA構成を導入していた。「このコンサートではMLAが観客へのインパクトを失うことなく、客席エリア外のオーディオをいかに低減できるかを体験することができました。」と説明する。

全6ステージの騒音対策に関しては、Clockenflapのプロダクション・マネージャーであるPeter Gorton氏に一任している。

「数年前、会場が九龍から中環(セントラル)に移転した際、政府からの最大の要望のひとつは、住民への騒音対策でした。クレーンを雇って現場でさまざまなラインアレイを飛ばしてテストしたり、サブウーファーの後ろに大きな土嚢を設置してステージ後方からの音を遮断したりと、可能な解決策を何年もかけて試してきました。MLAがステージ後方からのノイズを除去できるようになったことで、土嚢は過去のものとなりました。」

Clockenflap

MLAシステムの持つ高い解像度

しかし、騒音対策はこのフェスティバルの重要な要素であり、セントラルにある会場の周囲に3つ、海を隔てた九龍に1つのモニターステーションが設置されている。Gorton氏は、住民がこの街で毎年開催されるフェスティバルに慣れている一方で、彼と彼のチームはこのことを当然だとは思っておらず、近隣住民に迷惑をかけることなく素晴らしいイベントを開催しようと常に努力していると語った。

「MLAシステムは、特に香港で初めて演奏する日本のポップ・デュオ「YOASOBI」のようなバンドにとって、私たちが求めていたパンチとインパクトを持っています」とGorton氏は語った。「彼らは金曜の夜の公演をソールドアウトさせ、そのエネルギーで興奮した観客を圧倒した。観客全員、一言一句歌うのを聞いて驚きました。」

YOASOBIのFOHエンジニア、フジタケンジ氏はMLAの解像度を【際立っている】と評し、ミックスに集中し、観客にインパクトを与えることができたと語った。

Gorton氏はまた、2024年にシンガポールでフェスティバルを開催する予定であること、さらに香港でのイベントも計画していることを明らかにした。

Clockenflap