CASE導入事例
株式会社アコースティック 様
サカナクション オンラインライブ「SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE」でAvid VENUE | S6Lが活躍
- 事業内容
- 音楽コンサート、各種イベントにおいて音響システム業務を行う企業
- 導入製品
- Avid VENUE | S6L
—長年同バンドのオペレーターを務める株式会社アコースティック社長 佐々木幸生氏にこのライブの背景と、Avid VENUE | S6Lを使い続ける理由、そしてイマーシブオーディオについて伺いました。
「これまでアーティストは表現の場として、CDを作るかライブをするかしかなかったわけですけれど、コロナ禍でオンラインライブを皆いろんなところでやり始めた。サカナクションもオンラインをやることになるんだけども、他ではやってないようなオンラインをやりたいと。ただライブを流すんじゃなくて、映像もしっかり作りこんで、だけどちゃんと生でライブするってことをやりたい。
最初は生配信で映像に凝るということだけで企画が進んでたんですけれど、配信ならではのできることがあるんじゃないかなと思って、そこで3Dっていうことですね。配信でも「3D」できるんじゃないのっていうことで探しました。」
当初はKLANGというバイノーラルIEMハードウェアで行われていた配信ライブですが、S6Lとの連携性能を考え、今回の配信ライブでは「SPAT Revolution」が採用されました。SPATはS6Lのサーフェース上でコントロールすることができます。
「SPATのほうが正直音色の変化は少ないです。SPATのほうが定位を動かしていっても音色の変化はほぼないです。ただステレオで組んであるものに関しては、どうしてもちょっと違和感が出ちゃう。モノソースだったら定位させることはできるんだけれども、ステレオ物は動かすのはなかなか難しいと感じました。」
以前からサカナクションのライブでS6Lを使い続けている佐々木氏。その魅力をこう説明します。
「S6Lのいいところは、ソフトウェアの進化によってどんどん卓そのものが使いやすくなっていく、というところです。ファームアップで進化していくのがコンピューターみたいで新しいなと感じます。
これまでは機能が追加されるたびに、違う製品を買わないといけなかったりしたんですけれど、S6Lの場合はソフトがどんどん進化していって使いやすくなっていくということなんで、一回それを買っちゃえばそのソフトの更新だけで良い。そういうところが一番良いなと思いました。」
サカナクションは実際のライブでも立体音響演出に取り組んでいることで有名です。チャンネルベースのサラウンド演出だけでなく、d&b Soundscapeを用いたオブジェクトベースイマーシブも実施している佐々木氏。イマーシブオーディオの可能性についてこう語ります。
「イマーシブオーディオという演出表現自体には可能性を感じます。やっぱり一番いいところは没入感です。ライブを観てて、端っこにいる人達とかスピーカーの前にいる人たちは、爆音でその片側チャンネルの音を常に聞いていなきゃいけなかったわけです。見えている景色と音の来る方向も違っていた。
それがそういうことじゃなくて、実際にあそこで演奏している人たちがいて、それがひとつに合わさって聞こえてきてるんだぞっていう。もっと言うと、そのことすら意識させないのがイマーシブの一番良い所だと思うんで。これは今までのL/Rでは表現できなかったこと。」
リアル会場でのイマーシブオーディオ、配信でのバイノーラル。今後どのような進化を見せてくれるのか目が離せないバンドです。
編集後記
サカナクションで次なる取り組みを考えるとしたら、何かもうアイデアはありますか?という問いかけに対し「もはや“普通”のことはできない(笑)」と笑う佐々木様の一言が印象的でした。
物理的にはまだまだ課題が多いイマーシブオーディオですが「演出表現自体には可能性を感じる」と仰っていた佐々木様。サカナクションとチームサカナクションの一ファンとして、これからの作品や試みも楽しみにしています!
2021年11月20-21日、“舞台×MV×ライブ” というコンセプトで4階建てビル相当の巨大な造形物「アダプトタワー」を舞台としたオンラインライブ「SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE」が行われた。
常に進化を続ける人気バンド、サカナクションが行った配信ライブではAvid VENUE | S6Lと話題のSPAT Revolutionソフトウェアが使われたという。